NHKスペシャルは混迷の世紀第4回世界フードショックでした。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、カナダ・アルバータの穀物倉庫が空となり、日本に輸出するための基地が稼働出来ない状態となりました。
目次
ロシアが武器化する食料
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、日本でも食料品の記録的な値上げが続いていて、輸入に頼ってきた家畜の餌なども不足しています。
日本のように海外からの食料輸入に頼っている国では、食料の安全保障が注目されています。
ロシアの輸出政策
プーチン大統領が、
「ロシアは食料輸出に細心の注意を払う必要があり、特に敵対国への輸出は注意深く監視しなければならない」
と述べました。
ロシアは、食料資源が乏しい中東への影響を強めています。
ドバイで行われたビジネス展覧会に、ロシア企業10社以上が参加しました。
UAEの大手製粉メーカーは、ロシアから小麦を輸入しています。
小麦などの穀物の価格が、上昇を続けています。
全農グレイン
ニューオリンズには全農グレインの穀物輸出基地があり、年間1800万トンの穀物を取り扱っています。
9月下旬、全農グレインがアメリカに進出してから40周年をむかえました。
全農グレインの川崎副社長が、ロシア情勢の穀物価格への影響について語りました。
ルイジアナのトウモロコシ農家、カナダの小麦農家にインタビューしました。
全農は1982年に、アメリカに穀物輸出基地を建設しました。
1995年にWTOが発足しました。
ロシアがウクライナを侵攻してから、多くの国が食料の輸出規制を行っています。
日本国内の自給も危機に
日本の畜産業は、飼料代が生産コストの6割を占めています。
飼料価格の高騰により、伊達物産は赤字となりましたが、販売価格に上乗せするのは難しい状況です。
日本農業法人協会が畜産業者にアンケート調査を行い、94.8%が価格添加ができないと回答し、72.2%が資金繰りが苦しいと回答しました。
日本国内の農地のほとんどは化学肥料を使用していますが、ロシアや中国などは日本への原料輸出を規制していて、生産量が4割減少すると試算されています。
角田建士農場の社長が、
「肥料価格が高騰している」
と語りました。
米価格は、ここ20年下落傾向にあり、国の対策がなければ米農家の93%が赤字となります。
知の巨人の警鐘
経済学者のジャック・アタリ氏が、
「ロシアによるウクライナ侵攻により人類史上最悪の食糧危機が起きるかもしれない」
と語りました。
過去に世界で起きた戦争は食糧不足が関係していて、飢餓に陥った人々が暴動を起こす可能性があります。
南米で激化する穀物争奪戦
全農グレインの川崎副社長がサントス港を視察したところ、中国の船が多かったそうです。
中国の穀物企業コフコは、サントス港に輸出基地を建設しています。
ブラジルでは、中国企業の進出が進んでいて、ルーラ次期大統領は中国との関係を重視しています。
マルコス・モンテス農相が、
「中国はすばらしいパートナーだ」
と述べました。
元ブラジル農相のブライロ・マッジ氏が、
「日本はブラジルの食料をもっと買うべきだ」
と述べました。
見直される食の憲法
海外からの食料の調達が不安定化していて、国は見直そうとしています。
食料方針の基本指針となっていた
「食料・農業・農村基本法」
の改正が議論されています。
策定の中心人物だった高木勇樹さんは、
「作成当時は自由貿易体制が揺るぎないものと考えられていた」
と話します。
また、
「基本法では国内の農業生産の増大が謳われているが自給率の目標が達成されたことは一度もない。海外の安い食料への依存を深めたのも要因の一つだ」
と高木さんは話します。
変わる食の秩序
この危機に立ち向かうために何ができるのかジャック・アタリ氏は、
「国家における食の位置づけを考え直す時期になった」
と話します。
「日本はまず農業という仕事が魅力的であるという事実を作り出さなければ農業全体を失うという最大の危機に直面する」
など指摘しました。
揺らぐ食の秩序
9月、ロシアは食料を武器として中国国境に穀物の輸出基地を新たに建設し、世界にさらなる存在感を示しました。
年間800万トン中国に穀物を供給し、関係をより強化しようとしています。
WTOは、深刻な食糧危機を受け会合を行い
「豊かさ共有を堅持するべき」
と示しました。
日本では自給拡大への新たな取組として、国産の飼料用トウモロコシの生産を始めました。
今後の試金石になるとのことです。
TwitterでのNHKスペシャルで特集したフードショックへの反応
昨日のnhkスペシャルは本当のことも描かれていると思うが、一種のプロパガンダだと思います。
— scop(@l0remip3m)Sun Nov 27 23:52:00 +0000 2022
昨夜のNHKスペシャル「混迷の世紀、フードショック」は見応えのある内容でした。大きな胃袋を抱え、ウクライナ戦争を特需とし、国家的商魂でひとり高笑いする中国。ああ情けなや。
— むー(@9lsdYuHn4ecYCLV)Sun Nov 27 23:49:57 +0000 2022
昨日のnhkスペシャル。すっごい不安になったけど、結局伝えたかったのは、中国と連携していくしかないと言うこと?さすがnhkだ。
私たちは、今までとは違う道を模索していかねばならないのです。このプロセスは苦痛を伴うだろうが子供たちへ日本を残すために私たちは耐える。
— scop(@l0remip3m)Sun Nov 27 23:33:27 +0000 2022
昨日のNHKスペシャルのフードショック、食料争奪戦の話は衝撃でしたね。
日本の米農家の93%は赤字で肥料はほぼロシア、ウクライナ、中国に頼み。数年で高齢化もあり廃業を選択する農家が増える。
養鶏業も外国頼みの餌が高騰し赤字で廃業が増える。
静かな有事が進んでいる
日本はどうなるんだ
— 原のトシちゃん(@tosipt0201)Sun Nov 27 23:15:27 +0000 2022
今日のNHKスペシャル観てたら、食糧危機の怖さを小学校の頃に言われてたことを思い出した。時代は巡る。
— 甘崎(@amasakiiori)Sun Nov 27 16:23:40 +0000 2022
個人的には鎌倉殿の13人よりもNHKスペシャル「フードショック」のほうが鬱すぎた…
— CHATNOIR(@CatChatnoir)Sun Nov 27 15:25:17 +0000 2022
NHKスペシャル。デフレの時代、日本は国内の農産物が割高になった時にその差額を埋めて農業を守る事をせず、安い農産物を海外から輸入、それがさらに農家を苦境に陥れた。海外から買えばいいはグローバルルールが機能している状況での話。その頃の食糧農業農村基本法のまま、現在の肥料などの高騰で…
— ねこ。(@sasame_yky)Sun Nov 27 14:53:11 +0000 2022
NHKスペシャル、肥料高騰で自給率の最も高い米も、今後農家の9割以上が赤字になる予測。食糧確保のため全農グレインはブラジルからの輸入を考えたものの、港には日本のトウモロコシ1年分以上を取り扱える中国の穀物基地など既に中国の手が回っていて、中国の伯への投資は57億ドル。中国の投資先で最多
— ねこ。(@sasame_yky)Sun Nov 27 14:47:43 +0000 2022