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毛孔性苔癬は思春期を過ぎると自然に消失していきます

毛孔性苔癬は、二の腕や背中、臀部などの皮膚がさめ肌やおろし器のような状態になる皮膚病で、思春期によく見られます。

しかし、大概は、思春期を過ぎると自然に消失していきます。

毛孔性苔癬

毛孔性苔癬は、毛孔性角化症とも呼ばれます。

これは、身体の毛孔内に角質が充満し、表皮にまで盛り上がり丘疹を成す角化症、角質異常で、皮膚病のひとつです。

小児期や思春期によく見られ、遺伝性が疑われる皮膚病です。

他の類似症例を、毛嚢性角化症、または毛包性角化症と総称することもあります。

ごく稀な例を除いて自覚症状は、ありません。

また、健康上重大な問題も起こりません。

サメ肌と呼ばれる皮膚の状態の原因のひとつです。

毛孔性苔癬の原因

毛孔性苔癬の原因は、ビタミンAの欠乏、ホルモン代謝異常、脱脂線機能異常などが原因と考えられていました。

しかし、遺伝子の変異が原因と見られています。

小児期に発症し、思春期に増加する傾向がみられます。

男女の別による差違は見られません。

疫学上、とてもありふれた症例で、ただの生理現象とみなす向きもあります。

詳細な調査が行われた例は少なく、多くの人種で見られます。

日本の小学4~6年生の23%に見られたとの報告があり、海外では、14歳女児の80%見られたという報告があります。

また、尋常性魚鱗癬、アトピー性皮膚炎、肥満などと同時に発症する例が多い皮膚病です。

毛孔性苔癬の症状

毛孔性苔癬の症状は、身体の各所の毛孔が角質で満たされ角栓と化し開大、毛孔が詰まった様な状態になり、角栓の先端部が表皮に突き出します。

特に、色の変化が見られない場合もありますが、毛細血管の拡大、もしくは軽度の炎症により紅褐色となる場合もあります。

また、行き所を失った体毛が皮膚表面から目視できる場合もあります。

丘疹は、融合することなく各々が独立しており、時として周囲の皮膚の乾燥を伴い、群生している箇所は、ざらざらした触感となります。

また、秋から冬にかけて悪化する特徴があります。

四肢のうち、特に、上腕・大腿の伸側、及び臀部に出て、身体の左右ほぼ対称に出ます。

ほとんどの症例では、特に痛みや痒みなどの自覚症状はありません。

と言っても、稀に、若干の痒みを訴える方もいます。

多くは、20歳代から快方に向かい、30歳代には、かなり無くなります。

美容上の観点から、皮膚科の受診は、女性の方が多く見られます。

毛孔性苔癬の治療

毛孔性苔癬の治療は、特に治療を行わなくても健康上に重大な問題はありません。

治療をする場合、角質溶解剤の塗布、部分的保湿などの対症療法で症状を改善することができます。

角質溶解剤

角質溶解剤としてサリチル酸軟膏などが用いられます。

しかし、刺激が強い場合があるため注意が必要です。

保湿薬

保湿薬として各種尿素薬やヘパリン類似物質などが用いられます。

患部に、食品用ラップフィルムを巻いて就寝し、起床後に、スポンジなどで擦り落とすのも効果的です。

民間療法

民間療法ですが、粗塩での表面擦過などで除去が試みられることもあります。

その他の方法

ビタミンAやエトレチナートの内服に効果があるとされています。

しかし、毛孔性角化症自体が良性疾患である点と副作用を考慮し、積極的に用いられるべきではないとされています。

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